ハム美のBLコミックレビュー

腐女子のハム美がBLコミック・BL漫画を徹底レビュー!

【BL漫画・BLコミックレビュー】ウツのアリスとヴァンパイアの王  ~異世界溺愛ヒーリング~ (5)

thumbnail

ウツのアリスとヴァンパイアの王  ~異世界溺愛ヒーリング~ (5)を無料で試し読み!

ウツのアリスとヴァンパイアの王  ~異世界溺愛ヒーリング~ (5)の購入はこちら

ウツのアリスとヴァンパイアの王 ~異世界溺愛ヒーリング~(5)感想レビュー

このシリーズ、毎回心臓に悪い!と、言いながら毎回買ってしまっている私がいます。今回ももちろん例外ではありませんでした。5巻、本当に素晴らしかった…! もう、何が素晴らしかったかって、全部なんですけど!笑

蒼という名の棘と、紅の揺るぎない愛

今回のメインは、間違いなく蒼でしょう。謎めいた男、蒼。透の心の奥底に潜む記憶を、まるで宝石箱をあさるように覗き込み、紅との過去を鮮やかに蘇らせてくれます。その手法は、正直言ってかなり乱暴で、透が苦しむ姿を見るのが辛かった。でも、その痛みを通して、透の心の奥底に隠された傷、そして紅との、想像を絶するほどの深い絆が露わになっていく過程に、胸が締め付けられるような感動がありました。

蒼の目的は未だ不明瞭ながら、彼の行動一つ一つに、ある種の冷酷さを感じつつも、どこか哀愁が漂っているのがとても印象的でした。彼は、透を傷つけることで、紅との愛をより一層深く、そして強くしようと企んでいるのでしょうか? それとも、全く別の思惑があって…? 読み終わった今でも、蒼の行動原理を巡っては頭の中がぐるぐると回っています。彼の正体、そして真意が明らかになるのが、今から待ち遠しくてたまりません!

紅の優しさ、そして強さ

一方、紅は今回も安定のスパダリっぷり! 透が蒼によって苦しめられる姿を見ながらも、彼を優しく包み込み、寄り添い続ける姿には、本当に心を打たれました。 彼の愛は、まるで温かい太陽の光のように、透の心を優しく照らし、癒やしてくれるんです。 時に、透の感情を理解できない焦燥感に苛まれる紅の姿も描かれていて、完璧な存在ではない、人間味あふれる紅の姿が、かえって彼を魅力的に感じさせました。

特に、過去の紅と透の出会いのシーンは、涙なしでは読めませんでした。 若かりし頃の紅の、繊細で、そして透への深い愛情に溢れた姿は、現在の彼の強さに裏付けされた、揺るぎない愛情の源泉だと感じました。 過去の出来事が、今の二人の関係を築いているのだと痛感させられました。

繊細な描写と、美しい絵柄

この作品の素晴らしい点は、絵柄だけではないと思っています。 透の心の揺らぎ、紅の深い愛情、そして蒼の不穏な雰囲気… それら全てが、繊細で美しい絵柄と相まって、読者の心に深く刻み込まれます。 特に、透の心の葛藤や、過去の記憶が蘇るシーンの描写は圧巻でした。 絵だけでなく、セリフや描写からも、透の心の痛みや、紅の愛情が伝わってきて、本当に感情移入して読むことができました。

単なる恋愛漫画としてだけでなく、心の病と向き合うことの大切さ、そして、愛の力について考えさせられる作品です。 決してハッピーエンドが約束されているわけではない、その不安定さもまた、この作品の魅力の一つだと感じています。

気になる点と今後の展開への期待

強いて挙げるとすれば、蒼の目的がまだ完全に明らかになっていない点でしょうか。 彼の行動原理がもう少し明確になれば、より一層物語に引き込まれると思うのですが、今のところ、謎めいた存在として、物語に緊張感を与えているという点では、成功していると思います。

そして、今後の展開への期待は、もちろん、蒼の正体と目的の解明です。 また、透の「壊花症」が完全に治癒するのか、それとも、新たな問題が発生するのか、とても気になります。 紅と透の、より一層深まる愛の物語も、もちろん期待しています!

まとめ

「ウツのアリスとヴァンパイアの王 ~異世界溺愛ヒーリング~(5)」は、スパダリ吸血鬼と、心の病に悩む青年、そして謎めいた男という、魅力的なキャラクターたちが織りなす、胸を締め付けるような感動と、先の読めない展開が楽しめる、素晴らしい作品でした。 心の病に悩む方だけでなく、誰しもが共感できる普遍的なテーマと、美しい絵柄、そして、切なくも温かい愛の物語に、心奪われました。 このシリーズが続く限り、私は読み続けるでしょう! そして、次巻の発売を心待ちにしています! もう、早く続きが読みたい!!

ウツのアリスとヴァンパイアの王  ~異世界溺愛ヒーリング~ (5)の購入はこちら

©ハム美のBLコミックレビュー