ハム美のBLコミックレビュー

腐女子のハム美がBLコミック・BL漫画を徹底レビュー!

【BL漫画・BLコミックレビュー】好きにするなら夏にして【単行本版】

thumbnail

好きにするなら夏にして【単行本版】を無料で試し読み!

好きにするなら夏にして【単行本版】の購入はこちら

純粋で眩しい、夏の恋物語。「好きにするなら夏にして」レビュー

夏の陽射しを浴びて、キラキラと輝く青春の物語。それが「好きにするなら夏にして」です。 大学生同士の瑞々しい恋模様は、読んでいて胸がキュンと締め付けられるような、そんな心地よさがありました。

海星と大洋、対照的な二人の魅力

主人公の沖津海星は、恋に不器用ながらも真っ直ぐな好意を寄せる姿が本当に可愛らしい。 初恋の相手である潮崎大洋への想いを、言葉にできないもどかしさ、そして少しの勇気と葛藤。 そんな彼の感情表現が繊細で、読んでいて自然と応援したくなりました。 照れくさそうに赤くなる頬や、動揺した時の仕草など、細やかな描写が彼の内面を鮮やかに描き出しています。

一方、大洋は一つ年上で、海星とは対照的に落ち着いた雰囲気を持ちながらも、内心では海星への想いを隠しきれない、少しツンデレな一面も垣間見せてくれる魅力的なキャラクターです。 海星への好意を自覚しながらも、ある事情から素直になれない葛藤。 その葛藤が、彼の行動や言葉に影を落とし、見ているこちらをハラハラさせます。 しかし、時折見せる優しさや、海星へのさりげない気遣いからは、彼の真摯な気持ちが伝わってきて、惹きつけられました。

甘酸っぱく、切ない恋の行方

物語は、海星の一方的な恋心から始まります。 夏の暑さと同じくらい、熱くて、でもどこか不器用な彼の想いは、読む者の心を温かく包み込んでくれます。 そして、酔った勢いで大洋にキスをしてしまったという、少し大胆な(?)出来事が物語を大きく動かすきっかけになります。 その後の、海星の戸惑い、大洋の複雑な心情、そして徐々に明らかになる二人の関係性の変化… その過程が丁寧に描かれていて、感情移入せずにいられませんでした。

特に、大洋が海星の気持ちに気づき、そして告白に踏み切るまでの心理描写は秀逸でした。 彼の葛藤や、海星への想いを抱えながら、ある事情を乗り越えようとする姿は、胸を締め付けられるほど切なく、そして感動的です。 読み終えた後には、二人の幸せを心から願わずにはいられません。

絵柄と演出の素晴らしさ

絵柄も、登場人物の心情を的確に表現していて素晴らしいです。 特に、海星の真っ直ぐな瞳や、大洋の優しい表情は、言葉では言い表せない感情を伝えてくれます。 また、夏の風景描写も美しく、まるでその場所に自分がいるかのような錯覚に陥るほどでした。 海辺の情景や、夕焼けの空、そして二人の過ごす空間…すべてが、物語の雰囲気を盛り上げています。

さらに、コマ割りや効果線の使い方が絶妙で、テンポの良い展開と、二人の感情の高まりを巧みに表現しています。 特に、キスシーンや告白シーンなどは、ドキドキするような演出で、読者の心を掴んで離しません。 全体を通して、絵柄と演出のバランスが良く、非常に読みやすい作品でした。

電子限定描き下ろし漫画への期待

単行本には電子限定描き下ろし漫画が収録されているとのことですが、本編で描かれなかった二人の日常や、少し先の未来が垣間見れるものだと期待しています。 本編では伝えきれなかった二人の心情や、二人の関係性がより深く理解できるような内容であれば嬉しいです。 あの二人のその後が、今とても気になっています。

総括:夏の思い出として大切にしたい一冊

「好きにするなら夏にして」は、純粋で瑞々しい青春ラブストーリーです。 登場人物たちの魅力、丁寧な描写、そして美しい絵柄…すべてが完璧に調和し、素晴らしい作品に仕上がっています。 夏の暑さの中、心地よい風が吹いてくるような、そんな爽やかな余韻を残してくれる、忘れられない一冊となりました。 BL好きの方だけでなく、純粋な恋愛物語を読みたい方にも、自信を持っておすすめできる作品です。 夏の思い出として、大切にしたいと思っています。

好きにするなら夏にして【単行本版】の購入はこちら

©ハム美のBLコミックレビュー