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【BL漫画・BLコミックレビュー】兄弟日和(分冊版) 【第4話】

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兄弟日和【第4話】 ――禁断の蜜の味と、どうしようもない衝動

6年ぶりに帰ってきた兄・翔太と、弟の宏太。再会シーンからすでに胸が締め付けられるような緊張感が漂っていて、読み進める手が止まらなかったです。大学進学後、一度も実家に帰らなかった兄の突然の帰郷。その理由も、兄の抱える葛藤も、少しずつ明かされていく構成が巧みで、一気に引き込まれました。

ぎゅっと詰まった、静かな感情の波

宏太の、兄への感情がじわじわと伝わってくる描写が素晴らしかったです。言葉にならないもどかしさ、抑えきれない想いを、表情や仕草、そして何よりも静かな呼吸を通して感じ取ることができました。特に、過去の嵐の日の回想シーンは、幼い宏太の純粋な愛情と、兄への憧憬が鮮やかに描かれていて、涙なしには読めませんでした。あの小さな手でしがみつき、唇を押し付けたという描写…、なんて切ないんでしょう。その記憶が、現在の宏太の行動を全て説明している気がして、胸が締め付けられました。

突然のキス、そして揺れる心

そして、衝撃のキスシーン。全く予想していなかったので、電子書籍で読んでいた私は、思わず息を呑んでしまいました。静かに、そして熱く、兄の想いが宏太に伝わる瞬間。宏太の混乱と、同時に芽生える新たな感情。このシーンの描写は、繊細で大胆で、まさに筆致の魔術と言えるのではないでしょうか。まるで、自分がその場に立って、宏太の気持ちを感じているかのような錯覚に陥りました。

兄弟の絆、そして禁断の愛

「兄弟であるかぎり、恋をしてはならない」という葛藤。この言葉が、宏太の心の奥底に深く刻まれていることが、彼のすべての行動に表れています。しかし、兄からのキス、そして過去の記憶が蘇ったことで、その想いはもう抑えきれないものになっている。その葛藤が、より一層二人の関係を複雑で、そして魅力的なものにしています。

繊細な心理描写と、美しい絵柄

この作品の魅力は、なんといっても繊細な心理描写と、美しい絵柄です。登場人物の表情や仕草、背景の描写に至るまで、全てが緻密で、まるで絵画を見ているようでした。特に、兄妹の幼少期のシーンは、ノスタルジックな雰囲気と温かい色使いで、二人の絆の深さを際立たせていました。

続きが気になる、切ない余韻

第4話で終わってしまったのが、本当に残念です。続きが気になって仕方がありません。宏太と翔太のこれからがどうなるのか、二人の関係性がどう変化していくのか、想像するだけでドキドキしてきます。この作品は、単なるBL作品ではなく、兄弟愛、そして人間の心の奥底にある複雑な感情を深く描いた、素晴らしい作品だと思います。

読後感

読後感は、なんとも言えない切なさ、そして希望が混ざり合った複雑なものでした。禁断の愛というテーマは、時に重く、時に甘く、読者の心を揺さぶります。しかし、この作品は決して暗いだけの作品ではありません。二人の間の温かい愛情、そして未来への希望を感じることができる、そんな余韻を残して終わりました。

総合評価

全体を通して、この作品は非常にクオリティの高い作品だと感じました。繊細な心理描写、美しい絵柄、そして魅力的なキャラクター。全てが完璧に調和しており、読者を魅了する要素が満載です。BL作品が好きな方だけでなく、感動的なストーリーを求める方にも、自信を持っておすすめできる作品です。

今後の展開への期待

第4話で、ようやく二人の想いが通じ合ったような、そんな雰囲気を感じました。しかし、これから二人の前に立ちはだかる壁は、容易に越えられるものではないでしょう。兄弟という関係性、周囲の人々の視線、そしてそれぞれの抱える心の傷…。それら全てを乗り越え、二人の愛が実を結ぶことができるのか、今後の展開が本当に楽しみです。

個人的な感想

私自身、兄弟という設定のBL作品は、他の設定に比べて特別な感情が湧くことが多いです。血の繋がり、幼い頃の記憶、そして複雑な感情の絡み合い…。そういった要素が、この作品をさらに魅力的にしていると感じています。この作品を読み終えた後、私はしばらくの間、宏太と翔太の二人のことを考え続けていました。彼らの幸せを心から願わずにはいられません。

最後に、この「兄弟日和」第4話は、単なる恋愛物語を超えた、人間の心の深淵を覗き込むような、そんな感動的な作品でした。ぜひ、多くの人に読んでほしい作品です。そして、単行本も購入して、続きを読みたいと思います。

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